脂肪吸引のリスクとしては、貧血、感染、脂肪塞栓、吸引部の凹凸・ヒフのタルミ、麻酔の事故などです。かつて脂肪吸引が行われた当初の頃は、脂肪の取り過ぎによる貧血やショックなどで死亡事故なども起きていました。しかし最近では脂肪吸引の技術と安全性が飛躍的に向上し、これらの事故が起こることもほとんどなくなりました。手術である以上、リスクはまったくゼロにはできませんが、いまでは限りなくゼロに近づきつつあり、当院では開業以来10年以上、1万件を越える脂肪吸引の手術を行ってきましたが、重大な事故はいまだに1例もありません。 ここまで飛躍的に安全性が向上した最大の要因は、80年代後半に脂肪吸引先進国のアメリカで導入された、ハイパー・ウエット・メソッドという麻酔方法にあります。当院ではこのハイパー・ウエット・メソッドを早くから導入し、普及させてきたクリニックの一つです。この方法は、非常に薄い麻酔液が入った体液と同じ成分の生理食塩水に、出血を抑える薬と、ショックなどを予防する薬を混ぜて、大量に脂肪をとる脂肪層に浸透させます。これによって術中の出血がほとんどなくなり、貧血が予防され、脂肪細胞がこの生理食塩水を取り込んで大きくふくらむために、吸引部の凹凸と脂肪組織が血管に入って血管がつまってしまう脂肪塞栓を飛躍的に予防できるようになりました。このハイパー・ウエット・メソッドは基本的に局所麻酔で行えるので麻酔事故が起こることもほとんどありません。感染に関しては、現在の医学のレベルではほとんど起こることはなく当院では過去に一度も感染例を出していません。 脂肪の取り過ぎということに関しましては、一度に取れる脂肪の量は最大3000〜4000ccと言われてますので、日本人の女性であればまず一度に3000〜4000ccを上回る脂肪がとれるほど太っていらっしゃる方はほとんどいらっしゃいませんのでまず大丈夫です。しかしたまにアメリカ人などに見られる極度の肥満状態にある人は、吸引部分を同時に何か所も取るのではなく、制限したほうがいいでしょう。ヒフのタルミに関しましても、かなり太っている人ではない限りタルむことはまずありませんし、かなり太っていらっしゃる方でもドクターのほうであまりにヒフがたるむようであれば、それ以上吸引しないなどの判断をします。
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